文藝同好会「食卓」のメンバーのてきとうな日記。
march
連休に入ったとたん、風邪をひいてしまった。僕はだいたいのところ、年に一、二回風邪をひくことが多いので、今年もまた来てしまったか、という感じで、もはや諦観するほかない状況である。例えるならば、いつもと変わらないように見えているギターの弦が、ある日突然ぷつん、と切れてしまうようなものである。・・・・・・周りに風邪っぴきが多かったのは、一つの予兆ではあったけれど。
幸か不幸か、連休である。
しかし幾度も経験していることとはいえ、風邪をひく、あるいは、身体が不調になるということは堪えるものである。何も考え付かなくなったり、はたまた普段は想像もできないような思索を試みたりする。そういう時、僕の頭の中には、往々にして一つの考え、あるいは疑いが浮かび上がる。この文章を読んでいる貴方の周りにも一人くらいいるのではないだろうか? 年中、永久凍土みたいに同じ形をしたままの精神を保つ人間が。
彼らは何時なんときも風邪をひいたりしないし、怒ったり、悲しんだりしない。ありとあらゆる状況に、持ち合わせた手足で柔軟に対応する。
彼らの心も、外には見えない形で変化をしているのだろうか? どこかに怒りや、悲しみを表現する術を持ち合わせているのだろうか? それとも、そういった感情すら存在していないのだろうか? 卓越した人間なのか、それともただの天然なのだろうか? そういった疑問は、自分の感情が上下すればするほど浮き彫りになってくる。
完成された人間になるということは、だいたいのところ、そのような人間を装えるようになるということなのかもしれない。
村上春樹のエッセイ(どの本かは失念した)、傷つかなくなることについても参照にされたし。
~ BGM:銀杏boyz なんとなく僕らは大人になるんだ ~