二日目。朝っぱらから音がする。
キーン
当然、アラレちゃんではない。これが4号機なら711枚の至福なんだろうが、もうそんな時代でもないのは言ってきた通り。昨夜から起きっ放しでパソコンと向き合っていたから、ただの耳鳴りだろう。時計はもう九時。隣の家の爺がラジオを付けてDIYを始めた。後何年で死ぬんだろうな、あの人。たぶん、これも耳鳴りの原因。果たしてこの世に、真壁は「いる」のだろうか?
そうそう、死ぬと言えばですよ、G-typeを探しに行って手ぶらで町田から戻る帰り、なんかチャラ男が泣いてました。ガラ携で何か話しながら、駅の階段で咽び泣いててキモいの。隣じゃ頭の悪そうな彼女がなぐさめんと全裸待機してるし、ますます殺したくなるよね。俺がナイフとか持ち歩かない人で良かった。あの感じは、母親でも死んだんじゃないかな。でも安心して下さいよ。母親は死なない。だって、チャラ男の中で生きてるんだから。そんな感じで、今夜もベッドインなんでしょ?Biiiiitch!!!
でも、おかげさまと言っていいだろうか、閃いちゃいましたよ。
「いる」んです、真壁が。
この穴の中に↓
秘密のマカベ穴
これは、僕が見た大人アニメから真壁名義をリストアップしたものです。
すると、ほら、わかっちゃいましたよね?真壁が「いる」かどうか。
ヒントは穴。お母さんにマルコBiiiiitch!!!
わからない人はもう一度リストを見てみて下さい。このリストには、偶然では終われない、とんでもない偏りがあります。
年代でしょうか?
いいえ。
配給会社でしょうか?
いいえ。
監督、ジャンル、プロデューサでしょうか?
いいえ。
だって、そうでしょう?真壁は「いる」かわからないんです。見えないものに見えるところから見てみて、見えたとは言えないでしょう。見えないものがそもそも無かったとしたら、その見えたものはどうなっちゃうんですか?この目的の為には別のレベルでの感知、X線の照射が求められているんですよ。
だから、ここで面白いのが5段階評価。俺という人間の感性が下した判断です。
種明かしをしてしまえば、このリストは俺にとっては予想外の固まりでした。真壁問題を起こす原因となった俺の思いに、数々の間違いがあったからです。
例えば、リストされる数は20を超えると思っていたのに超えない。
コメディが少ない。
そして何より、思っていた以上に評価が高い。
真壁名義の作品に対して、俺はもっとバラバラな評価を下している印象でした。だからこそ、自信が持てなかったんです。どれもが真壁に思えて、真壁が「いる」かどうか。それが、ひたすらに並ぶ4と5。むらかみてるあき作品に関して言えば、評価の高いものが意図的に集まったかのような様相。
つまり、「俺」という感性のX線が、感知していたんです。「真壁」を。
皆さんは『ジョン・マルコビッチの穴』という映画をご存じでしょうか?
人には偏りがあります。特に俺みたいな奴には。
だからこそ、この表の殆どを埋める4と5の並びが、俺の中を歩く何かの足跡だと俺には信じられる。「真壁」は「いる」?正確には足跡が見える。辿っていけば、間違いなく雪男ぐらいには会える。
「ガオーーーー!!」
ものかげから聞こえるのが、イエティの咆哮。
たぶん、これも耳鳴りの原因。
「ここは寒い。街に来いよ、真壁」
「ガオーーーー!!」
「女だって、腐る程いるしさ」
「ガオーーーー!!」
さて、どうやって「彼」と話そう?
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